これは中原会長がそば職人時代に身に付けた技だ。まな板を使ってネギを切ると、ネギが押しつぶされ、香りが強く出過ぎる。そうした知見からの行動だったが、その包丁さばきを見たヒサさんが驚き、認めてくれたという。そこから約10日間の見習期間を経て、のれん分けへの道が開けた。これが「喜多方ラーメン坂内」の始まりである。
この時の中原会長の諦めない熱意がなければ、現在の「喜多方ラーメン坂内」の全国展開はなかったかもしれない。2012年に父・中原会長の跡を継ぐ形で中原誠氏が社長に就任し、「喜多方ラーメン坂内」のさらなる拡大を図っている。

喜多方ラーメンの特徴は、豚骨をじっくり炊き出してうまみを引き出し、コクがあるもののクセは少なく、透き通ったあっさりとした優しいスープだ。麺は、もちもちシコシコの手打ちの縮れ手もみ麺で、曽我製麺の「平打ち熟成多加水麺」を使用。トロけるような柔らかさのトロうま特製焼豚は、毎日店舗で2~3回作っている。昔ながらのほっとする懐かしい味わいは、多くのラーメン通を魅了している。毎日食べても飽きない味といわれるだけあって、幅広い年齢層に好まれている。

「肉好き」に評判なのが、13枚の焼豚が載って麺が見えなくなるほど覆われる焼豚ラーメン(970円)。ラーメンにご飯ものをプラスしたい方にはセットメニューがおすすめ。いちばん人気が、喜多方ラーメン炙り焼豚ご飯と味玉の3点がセットになった「炙り焼豚ご飯セット」(1020円)がお得だ。またラーメンにトッピングも可能で、味付玉子は120円、わんたんは6個で200円、焼豚は3枚で260円。ほかにも100円の高菜や170円のピリ辛ネギと、バリエーションが豊富だ。

店内は、白をベースに黒漆風カラーをアクセントにしたこじゃれた和風な雰囲気だ。白いソファと黒の木製椅子を配し、席数数は24だ。

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