混雑時も制限時間を設けない理由
最後に。店内が混雑していても、制限時間を設けていないと聞いた。それはなぜか。
田渕シェフ:自分自身、外食に行ったとき、時間に縛られたくないという思いがある。時間制限があるため、慌てて食べたり飲んだりすることは体によくないし、おいしさも半減してしまう。だから「肉和食Den」では時間制限を設けていない。自分としては1日1回転すればいい思っている。時間に縛られずに、食を楽しんでほしい。
取材を終えて
死に物狂いでお客さんの回転率を上げようと必死になっている飲食店があるのを知っているからこそ、ビジネス的見地から田渕シェフのスタイルは、経営者としては甘い考えかもしれない。しかしお店のスタイルは十人十色、違っていてもいいのだ。回転率よりお客さんファーストを貫くお店があってもよい。
余談になるが以前、ある知人と初めて居酒屋に行ったとき、焼き鳥を注文したら、その知人が断りもなく、串から焼き鳥を外し始めたのだ。シェアして食べやすいようにとの心遣いだったのだろうが、串に刺している焼き鳥はそのまま串から食べたい筆者としては、ありがた迷惑だった。ただ、知人のように串に刺した焼き鳥を「食べづらいから」と、串から少しずつズラしたり、外したりして食べる人も少なくない。箸で食べる焼き鳥のニーズは、かなり高いとみた。
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