2022年の幕開けとともに、またもや新型コロナウイルスの感染が拡大し、沖縄県などは「まん延防止等重点措置」の適用を政府に求めた。昨年もあった、年明けの感染者拡大の呪縛から逃れられないのだろうか。新年会需要などで戻りつつあった外食産業には再び逆風が吹き付けそうだ。

 都心では1月6日に2年ぶりの降雪を記録するなど、今冬は特に寒い。そうなると恋しくなるのは、体を温めてくれる熱々のおでんだ。今回は、大正10年(1921年)に創業し、昨年にめでたく100周年を迎えた東京・麻布十番の老舗おでん屋「福島屋」にスポットを当てる。

 「負けない外食」シリーズが取り上げてきたお店は、飲食店を複数運営する企業や、比較的資本力のある企業がサポートする店が多かった。コロナ禍という難局を独自に乗り切る工夫ができるお店は限られ、どうしても資本が厚いお店や企業に集中しがちな面もある。ただ、コロナ禍で本当に苦しい経営を強いられてきたのは中小・零細の飲食店だ。個人経営店は、この苦境にどのように対応し、乗り切ることができたのであろうか。福島屋の取り組みをみていこう。

 富裕層が多く住む高級住宅街と下町情緒あふれる商店街が共存し、独特な魅力を持つ麻布十番エリアに福島屋はある。

 一の橋交差点から中心街の十番通りを直進するとすぐに、昔ながらのたたずまいながら、黄色や赤色の派手なポップがたくさん張られたお店が目に飛び込んでくる。有名焼鳥店「あべちゃん」の左隣で、「スターバックス」の道を隔てた前といえば分かる方もいるだろう。