債券と株式の違いについて

 基本的な内容を把握したところで、債券の特徴を説明するために、もう一つの代表的な資産である「株式」との比較を行いたいと思います。内容が複雑になってしまうため、株式と債券の違いを「資産構造」と「市場性」の観点に絞って解説します。なお、必ずしも以下に記載する内容が全ての債券と株式に当てはまるわけではない点に留意してください。

(1)株式と債券の資産構造について

 まず、資産の構造に関してですが、こちらは以下の3つのポイントが大きな違いです。

・満期日の有無:債券は満期日がある・株式にはない

 債券は、借金の証書を買うようなものと紹介しました。借金であるため、お金を返済する満期日(または償還日)が決まっており、その日が到来すれば残っている債務を返済する必要があります。その意味で、債券は「期限付き」の資産であるといえます。

 一方、株式は会社の一部を所有する権利書。会社は株式を発行することで、資金を投資家から調達します。投資家は、その権利書を全て集めてしまえば、その会社の支配権を全て手に入れることができます。債券と異なり、その所有権には満期日が存在しません。その会社が存続する限り、権利書は有効になります。

・破綻時の弁済優先順位の違い:債券は優先的に弁済される・株式は優先度が低い

 これは企業が破綻した前提の話ですが、両者の弁済(資金の払い戻し)優先順位が異なります。債券の場合、弁済時の順位が高く設定されています。さらに、担保が付与されている場合もあります。そのため、投資先の企業が破綻した場合でも、会社資産を売却して残った資金を優先的に借金返済に回してもらうことができます。

 一方、株式については、会社の所有権であることから、株式を払い戻すだけの会社資産がなければ、価値がゼロになってしまいます。売却できる資産を保有していたとしても、売却資金は先に借金返済に回ってしまうため、株式の保有者の手元には何も残らない場合が少なくありません。債券は株式と比較して、投資資金を失うリスクが低いといえるでしょう。

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

・収入(利子および配当)の規則性:債券は規則性が強い・株式は規則性が弱い

 保有資産に対する利払いが変動するかどうかも大きな違いの1つです。債券の場合は、借金を貸し借りする際の条件が決められていることから、基本的には契約で決められた額のクーポンを満期日まで払い続けることが必要になります。

 一方で、株式の場合は、必ずしも毎回同じ金額の配当を支払う必要はなく、配当額の決定は経営陣の裁量にゆだねられています。会社利益が配当の原資となることから、経営が危なくなった場合は配当の減額や停止を行います。また、会社利益を配当に回すのではなく、事業投資に回した方が株主によって最良だと経営陣が判断した場合、そもそも配当が払われないということもあり得ます。

 なお、クーポンが変動する債券や、配当金が一定である株式も一部存在します。

(2)株式と債券の市場性の違い