これまで投資の運用ルール設定から、怪しい投資情報に振り回されない方法など、資産運用に向けた「心構え」についてお伝えしてきました。今回は、より実践的な投資の準備として、存在は知られているけれど、少々分かりにくい「債券」について詳しくお伝えしていきます。
債券投資の考え方
本連載のような資産運用を紹介する書籍や記事の多くは、「株式投資」について取り上げています。株式は、アップサイド(資産価値上昇)の余地が大きく、手軽に取引できることから、個人投資家から非常に人気の高い金融商品です。一方で、債券は、期待リターンが株式ほど高くなく、取引が簡単でないことから、個人投資家の注目を集めることは少ないのが現状です。そして、昨今のコロナ禍では、安全資産としての需要増や中央銀行の金融政策の一環としての買い入れから、金利は著しく低下しており、金融商品としての魅力は低下しています。「投資の神様」と称されるウォーレン・バフェット氏も2021年2月、自身が経営するバークシャー・ハザウェイの株主に向けた手紙の中で、「(債券投資家は)お先真っ暗だ」と記していたほどです。
しかし、債券は安定的な金利収入を実現するだけでなく、安全資産としてポートフォリオに分散効果をもたらす非常に有用な資産でもあります。そのため、債券を運用資産に取り入れることを検討する余地は大きいと考えます。今回は、そんな債券についての基礎的な内容を解説し、より実践的な投資の準備を行いましょう。
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