外国為替証拠金取引は投機

 断言します。FX取引は投機です。投資と投機を分け隔てる根本的な違いは「何に期待して資金を投じるか」。投資は「価値の上昇を期待する」ことである一方、投機は「価格の上昇を期待する」ことなのです。証拠金取引はその性質上、投機に該当するといえます。

 投機だからといって批判するつもりはありません。しかし、大きな失敗が許されない50歳からの資産運用では、投機性の強い取引に従事している余裕はありません。ともすれば、元本がゼロになる以上の損失を被るリスクすらあります。将来を見据えた長期目線での資産運用が必要なのです。

 一方で、資産運用を楽しむという観点も重要です。投資の酸いも甘いも経験しながら、興味を持って学習していくことは、長期目線での資産運用を志す上では必要な要素でもあります。FX取引は動きも激しく、為替水準が大きく動くさまを見ていると高揚感すら感じられます。経済指標や金融政策の発表に対して、為替レートは大きく変動します。そのため、それらの材料に対するマーケットの反応パターンを学習するには最適な資産でもあります。

 楽しむため、そして学習のためにFX取引を行うことは有益な効果をもたらすでしょう。しかし、その場合でも低レバレッジにして金額を抑制するなどの制約を課しながら取引を行うことが必要となるのです。

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