第7回の記事「「高金利=高パフォーマンス」は勘違い 外貨投資をする上で気を付けること」では、高金利通貨の危険性について解説しました。今回は、人気のFX取引がはらむリスクや為替ヘッジの考え方について解説します。

本連載を通して、為替の値動きを把握することは難しく、高金利通貨への投資も減価のリスクを孕(はら)んでいることをお伝えしました。外貨を保有することによって生じる為替変動はリスクとなるのです。外国資産の保有には、資産に分散効果を効かせたり、より高いパフォーマンスを期待したりできるため確かに大きなメリットはあります。一方で、リスクが高まるのであれば尻込みしてしまう人もいるでしょう。大きな失敗が許されない50歳からの資産運用では、リスクは可能な限り避けたいと考えるのは当然です。実は、為替リスクは「デリバティブ」と呼ばれる金融商品によってヘッジ、つまり低減することができるのです。
現物の外国株式や外国債券に投資する場合は、FX取引で売りポジションを保有することで一定のヘッジ効果(為替変動による影響を抑制する効果)を享受できますが、ポジション管理が煩雑になることや高倍率のレバレッジを利用しないと投資効率が落ちることなどの問題点があります。そのため、「為替ヘッジ付き」と記載されている投資信託を購入することが最も簡単に通貨ヘッジの効果を享受する方法といえます。同じ外国資産への投資であっても、為替ヘッジが付いているものと付いてないものがあり、投資家のリスク選好度合いによって選択肢が用意されています。
外貨リスクを低減できるのであれば、ぜひ為替ヘッジを導入したいと考える投資家も多いはず。果たして、50歳からの資産運用では為替リスクをヘッジすべきなのでしょうか?
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