日本で生活する人々にとって経済成長リスクや政治リスクを分散するために、外国資産への投資を行うことは保有資産のリスク・リターンを改善させる有効な手段でもあります。

(写真=PIXTA)
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 日本の個人投資家に人気の外貨投資。外貨投資の中でも特に「外国為替証拠金取引(FX取引)」は、レバレッジ(てこ)を使った少額の資金で大きな投資を行えるため、リスクとスリルを追い求める人を魅了します。日本の投資家の個人証拠金取引好きは世界的にも有名で、金融市場の参加者からは「ミセス・ワタナベ」と称されるほどです。

 リスク性の高いFX取引に限らず、通貨を含めた外国資産への投資は投資家に広く受け入れられています。米国やユーロ圏だけでなく新興国の資産への投資は活発に行われ、それにひも付く外貨取引も同様です。

 では、なぜ投資家は米ドルやユーロといった日本円以外の通貨を保有するのでしょうか? 当然、日本に住居を構える人々にとっては、日本円での投資とは別のリスク・リターンプロファイルを期待しての保有でしょう。外貨を持つことによって期待されるリターンとしては、主に「為替差益」が挙げられます。

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