2022年の大学入試は、すでに総合型選抜や学校推薦型選抜の選考が始まった。年が明けると1月に大学入学共通テスト、私立大学の一般選抜入試、2月25日からは国公立大学の前期試験が始まる。大学入試改革が実施された21年に比べると、選抜方法を大きく変える大学は少ないものの、コロナ禍への対応や、大学の新設・統合など新たな動きもある。今回は22年入試のトピックスをお伝えしたい。

 まず、国公立大学について見てみよう。従来、一般選抜は前期試験と後期試験に分けて実施する大学が多かったが、ここへきて後期試験を取り止めて、その定員を総合型選抜と学校推薦型選抜に移す流れが続いている。総合型選抜とは、20年入試までAO入試と呼ばれていた形式だ。

 総合型選抜は、22年入試で国公立大学176大学のうち、過去最多となる102大学335学部で実施される。募集人員もこれまでで最も多く、国立大学では6291人。全体の6.6%を占める。また公立大学は1122人で全体に占める割合は3.5%となった。国公立大学の合計では7413人。12年のAO入試の募集人員は国立2899人、公立463人の合計3362人だったことから、10年間で2倍以上に増加したことになる。

 新たに宮城教育大学が総合型選抜を導入。埼玉大学、富山大学、名古屋工業大学、奈良女子大学、長崎大学、大分大学では今回から総合型選抜を採り入れる学部がある。公立大学では福島県立医科大学が導入するほか、大阪市立大学と大阪府立大学が統合して誕生する大阪公立大学、芸術文化観光専門職大学(兵庫県豊岡市)、叡啓大学(広島市)も学生の選抜に使い始める。

 国公立大学の学校推薦型選抜は、総合型選抜ほどの増加はしていないが、それでも22年入試の募集人員は2万585人で過去最多となる。国立大学では京都工芸繊維大学、公立大学では三条市立大学、大阪公立大学、芸術文化観光専門職大学、叡啓大学が新たに導入する。学部単位では、富山大学教育学部、名古屋工業大学工学部、奈良女子大学で新設の工学部、九州大学歯学部が採り入れる。

 受験生の親世代からすれば、国公立大学で総合型選抜や学校推薦型選抜が拡大していることに驚くかもしれない。しかし、こうした流れはさらに広がる方向だ。

 いわゆる「偏差値教育」への批判なども背景に、学力とともに多様な資質を持った学生を受け入れることが大学にとって課題だった。総合型選抜や学校推薦型選抜の広がりは、そうした文脈の延長線上にある。

 国立大学協会では08年に初めて、国立大学全体としてAO入試(総合型選抜)と推薦入試(学校推薦型選抜)の合格者が占める割合を、「入学定員の5割を超えない範囲にする」ことを掲げた。つまり、5割まで引き上げることを可能にしたわけだ。

 もちろん、現時点ではまだ5割には遠く、総合型選抜と学校推薦型選抜の合格者が入学者に占める割合は、私立大学の方がはるかに高い。文部科学省が実施した20年入試の調査では、私立大学の入学者のうち、当時のAO入試が12.1%、推薦入試が44.4%だった。それでも、「一般入試から総合型選抜・学校推薦型選抜へ」という傾向が続くことを考えると、国公立大学の志望者にとっても、選択肢としての重要度が増していくことは間違いない。

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