専門家は「強気で受験を」とアドバイス
このように、コロナ禍で東京都内の大学は志願者を減らしたものの、入学者数から見れば定員を確保していた。地方で定員を確保できたのは政令指定都市を中心とする大都市圏の大学だけで、それ以外では定員割れが顕著だった。
私立大学の定員厳格化で一体何が解決するのか、疑問に感じざるを得ない。それどころか、定員厳格化によって追加合格が増え、受験生も、保護者も、大学も振り回される結果となっている。誰も得をしない、罪作りなだけの政策ではないだろうか。
22年入試もコロナ禍の影響は続く見通しだ。定員厳格化に変更はない中で、受験生がどのような選択をするのかは現時点では分からない。過去のデータは参考にならず、大学にとって「歩留まりが読めない」状況は、22年入試でも変わらないとみられる。私立大学を志望する受験生に対して、大学通信の安田常務は「追加合格の可能性を考えて、強気で受けたほうがいい」とアドバイスする。
「追加合格は正規の合格を発表して、その後に連絡をしてきます。不合格が合格に変わるケースも実際に起きています。ということは、志望校が難関大学であっても、強気で受けておけば何かが起こる可能性があります。『どうせ受からないから』と諦めないで、強気に上位の難関大学を受験したほうがいいのは間違いありません。いずれにしても追加合格の可能性は頭に入れておくべきでしょう」
私立大学の定員厳格化を発端に年々増加し、コロナ禍で激増した難関大学の繰り上げ合格。22年も同じ状況が続く可能性が高そうだ。
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