コロナ禍で実施された2021年入試では、感染拡大のリスクを考慮して独自の対応を打ち出した大学がある。その中で、横浜国立大学などの一部の国立大学は、大学入学共通テストの後に実施される一般選抜の個別学力検査、いわゆる2次試験を実施しない判断をした。受験生の負担が軽くなり、感染防止にも寄与すると考えられたが、蓋を開けてみると受験生には不評。志願者を大きく減らし、横浜国立大学では大規模な2次募集を行う事態となった。足元では東京の新規感染者数は減少傾向にあるが、22年入試もコロナ対応は避けられないそうにない。前年に「2次試験実施せず」の判断をした大学はどう動くのか。現状を取材した。

(写真:アフロ)
(写真:アフロ)

「2次試験見送り」で志願者が激減

 「昨年度はコロナの状況がどうなるか全く分からない中、リスクを考えて個別学力検査を実施しませんでした。(志願者の減少は)予想内、予想外のどちらでもなく、分からなかったというところです」

 こう話すのは、横浜国立大学の入試課の担当者。同大学は2021年の一般選抜入試で個別学力試験を実施しないことを、20年7月末の時点で決めた。一部の学部では面接や小論文、実技検査の課題提出を求めたものの、基本的には全ての学部で自己推薦書と大学入学共通テストの得点を使って選抜することにした。コロナ禍の影響が広がる中、国立大学で2次試験を実施しないと判断したのは、横浜国立大学が最初だった。理由について、大学は当時の学長名で次のようなメッセージを出している。

 「横浜国立大学には例年、前期日程・後期日程合わせて7500人を超える出願があり、そのうち神奈川県外からの出願が5000人に及びます。個別学力検査を実施することは、その受験生に県域を越える移動を強いることとなり、受験生だけでなくそのご家族にも心配をおかけし、感染のリスクを高めることになります。

 また、現時点において個別学力検査を実施すると判断した場合でも、実施時期の感染状況によっては、直前になって実施内容の変更や実施自体が困難になることも想定されます。

(中略)

 本学としましては、全国の受験生にこれ以上の心配をかけず、安心して受験準備に集中できるよう、この決定に至ったことをご理解いただきたく存じます」

 コロナ禍が続くと判断し、全国の受験生に配慮した決定だった。ところが、志願者は各学部とも激減した。経済学部は前期日程と後期日程を合わせた志願者が891人で、前年の1666人から4割以上も減少。理工学部でも前・後期合計で1622人と、前年の3444人から5割以上減少した。そのほかの学部でも大幅に志願者を減らし、大学全体で志願者が前年から44.7%減。全国の国立大学で最も減少幅が大きくなった。

続きを読む 2/4 理工学部では大量の追加募集

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