私立大学では、青山学院大学国際政治経済学部が前年の4734人から2372人に減少。半数近くまで志願者を減らした。ほかにも、東洋大学国際観光学部、早稲田大学国際教養学部など、大幅に志願者を減らした大学は多い。国立で1倍台、私立で2倍台まで倍率を下げた大学もある。

 もともと人気が高い国際系学部は、その大学の中でも倍率が高く、偏差値も高い傾向だった。22年入試でもコロナ禍が続けば、引き続き受験生が敬遠する可能性が強い。逆に考えれば、偏差値が上位の国際系学部は狙い目ということになる。前出の大学通信の安田常務も、数年後を考えれば国際系学部の22年入試は「チャンス」と言えるという。

 「新型コロナの世界的な感染拡大が続いているので、国際系学部は22年入試でも人気が下がる傾向が続くでしょう。ただ、ワクチンの接種が進み、治療薬の開発も進めば、数年後には新型コロナが終息することも考えられます。大学2年生や3年生になった時には、留学もできるかもしれません。国際系学部はグローバルな学びができる、将来的にも有望な学部です。志願者が大幅に減って、倍率が下がっていることを考えれば、もともと志願していた受験生は、受けておくことでチャンスが広がるのではないでしょうか」

総合型選抜は低調、指定校推薦は人気

 最後に、9月から出願が始まる総合型選抜入試と、11月から出願が始まる学校推薦型選抜についても見ておきたい。

 総合型選抜は、20年入試まではAO入試と呼ばれていた。実施する大学は年々増えていて、高い倍率になるが、21年入試では倍率を下げた大学も少なくない。おそらくコロナ禍で部活動や課外活動ができなかったため、プレゼンするはずだった活動ができずに、出願を諦めた受験生が多かったのではないだろうか。22年入試の受験生は、コロナ禍で2年にわたって活動が制限されているため、総合型選抜の倍率低下は続くだろう。

 一方、学校推薦型選抜は、公募制と指定校制の2つのタイプに分かれる。公募制は出願条件をクリアして、高校長の推薦があれば受験できるもので、国公立大学、私立大学でともに実施されている。一方、指定校制は大学が指定した高校に推薦枠を出す、いわゆる指定校推薦と呼ばれるもの。私立大学が中心になる。

 特に増えているのが、私立大学の学校推薦型選抜による入学者だ。大半は指定校推薦とみられる。近年は入学定員の厳格化などから首都圏の私立大学の難化が指摘されることから、指定校推薦の人気が高まっている。

 私立の進学校などでは、指定校推薦の枠が大学から来ていても使わない学校が多い。進学校では団体戦の雰囲気で受験に臨んでいるため、指定校推薦で早く合格が決まって勉強をやめてしまう学生が増えてくると、入試まで団結して頑張ることが難しくなるからだ。

 それが最近は保護者から「指定校推薦枠を使わせてほしい」とクレームが入ることもあるという。指定校推薦が増加したのは1990年代以降。現在の受験生の親世代が、こうした枠での進学が多かったことも、背景にあるのかもしれない。

 しかし、指定校推薦があるからといって、安全志向で安易に志望大学のレベルを下げて進学すると、入学後に後悔するケースも少なくないという。指定校推薦はあくまで第一希望の大学の推薦枠があった場合にのみ、検討するのがいいのかもしれない。

 22年入試でもコロナ禍が続くものとみられる。不安もあるが変化を分析して、受験戦略を検討することも大事だろう。

 次回は、英語の民間試験の活用と記述式問題の導入が見送りになるなど、迷走が続く大学入学共通テストについて取り上げる。

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