時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2021-2022』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。

AI製薬

 AI(人工知能)を使って薬の研究・開発を進めること。新薬開発には、薬の「種」となる化合物を見つける探索研究、動物実験などで薬効や毒性を調べる開発研究、人への有効性と安全性を調べる臨床試験、厚生労働省への承認申請の4段階がある。新薬誕生までに9~17年、なかでも臨床試験に至るまでには5~8年を要する。新薬1つあたりの研究開発費が数百〜数千億円かかるのに対して成功率は2.5万分の1以下といわれる。

 この創薬研究にAIを導入し、期間とコストを短縮しようというのがAI創薬だ。AIは膨大なデータから一定のパターンを見つけるのが得意で、例えば、AIに化合物と生体内タンパク質の結合データを学習させれば、これまで誰も見つけられなかった化合物を発見できる可能性がある。また、薬と薬、人と薬の相互作用を予測することもできる。AI導入により、創薬開発期間は9~9.5年に短縮、開発費は560億円に抑えられ、しかも成功率は2500分の1にまで上がるという試算もある。

 効率的な医薬品開発が可能とあり、AI創薬技術を使って新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発に乗り出す企業もある。塩野義製薬は北海道大学、スタートアップの3者で治療薬候補を探し始めた。2020年度中の臨床試験開始を目指している。

(本内容は、日経キーワード2021-2022発行時点(2020年12月)の内容になります。)
日経キーワード 2021-2022』(日経HR編集部)

 ウィズコロナ時代必携! 時事・経済ニュースがみるみるわかるようになり、短時間でビジネスや社会の動きをつかめる。14テーマ、キーワードは500以上収録。新しい生活様式、総合取引所、菅内閣、ギグワーカー、脱プラスチック、DX、VUCA、インフォデミック……。

 

 就職、公務員試験、資格試験、昇進試験、入試、ビジネスなど、さまざまな場面で活用できる。巻頭カラー企画は、コロナ禍と技術革新で変わる近未来の様子を見通す「どう変わる? “新しい生活"」。巻末の「資料編」には日経ならではのミニ辞典として、「経済・金融」「国際」などの基礎用語をまとめた。

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