時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2021-2022』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。

がんゲノム医療

 がんは、遺伝情報(ゲノム)の変化によって遺伝子が正常に機能しなくなった結果起こる病気である。そこで、標準治療法がない、または治療が終了となった患者や再発患者のがん組織を提供してもらい、遺伝情報の全体を「がん遺伝子パネル検査」で解析し、遺伝子変異を明らかにすることによりその患者に最適ながんの治療を行うものをがんゲノム医療という。

 がん遺伝子パネル検査の結果から治療法を判断するが、検査を受けても治療法が見つからないこともある。特定の遺伝子に変異が見つかったときには、最適な薬の投与や治療が行われるが、その遺伝子変異に対して効果が期待できる薬がなければ、従来型のがん治療に戻る。

 2018年、厚生労働省はがん遺伝子パネル検査を実施する「がんゲノム医療中核拠点病院」を決定。19年には中核拠点病院と協力してゲノム医療を行う「がんゲノム医療連携病院」、その間に位置する「がんゲノム医療拠点病院」を選定した。20年4月現在、がんゲノム医療中核拠点病院は12カ所、がんゲノム医療拠点病院は33カ所、がんゲノム医療連携病院は161カ所ある。

 19年6月には国立がん研究センター、中外製薬が開発した遺伝子パネル検査が医療保険の対象となり、患者負担が軽減された。しかし実際には検査した人の数は805人(19年6月~10月)と、当初想定の数千~1万人を大きく下回った。こうした現状を受け、各学会は、検査を受けられる患者の条件を緩和し、対象を拡大することも視野に入れている。

(本内容は、日経キーワード2021-2022発行時点(2020年12月)の内容になります。)
日経キーワード 2021-2022』(日経HR編集部)

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