時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、ちょっとした恥に繋がることも。そんな新たな時代を切り取る言葉をまとめたのが、日経HRが刊行する『日経キーワード2021-2022』。本書から一部抜粋して重要キーワードをご紹介します。
租税回避地(タックスヘイブン)
法人税や所得税などの税率が極めて低い国・地域のこと。カリブ海のケイマン諸島やシンガポール、香港などが知られる。オランダやアイルランドなど一部の欧州連合(EU)加盟国も企業の優遇措置を適用し、海外からの投資呼び込みに活用してきた。
税金の安い国・地域に企業を設立したり、個人が移住したりする行為自体は合法的である。問題は租税回避地(タックスヘイブン)以外に住む人や企業が、不当に税逃れを目的に当該地域に会社を設立し、不正を働いても実態を覆い隠せるようになっていることだ。このため脱税やマネーロンダリングの温床になっていると批判がある。
悪質な租税回避の対策として経済協力開発機構(OECD)はCRS(Common Reporting Standard:共通報告基準)と呼ばれる新制度を策定。この制度に参加する国同士の税務当局が、外国に住む自国の金融機関の顧客(非居住者)の口座情報を共有している。
また、グーグルやアップルなど米IT(情報技術)企業は利益の多くをタックスヘイブンにとどめ、実際に事業をしている国々で十分な税金を支払っていないと批判されてきた。各国の国税当局は、事業活動の実体がないのに低税率の国・地域に不当に利益を移そうとする課税逃れを防ぐために、タックスヘイブン対策税制の見直しやデジタル課税の導入を進めている。
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