時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。

接続水域

 領海の外側にあるが、沿岸国が通関・財政・出入国管理・衛生の上から、一定の権限を行使することが認められている水域。海洋の権利・義務を定めた国連海洋法条約が1982年に採択され、国際的な合意となった。同条約は、接続水域を領海の基線となる海岸の低潮線から24海里(約44キロメートル)の内側(領海を除く)と定めている。日本も1996年に領海法を改正して、領海の基線から外側の24海里内を自国の接続水域と設定した。

 明確な主権がある領海とは異なり、接続水域は「グレーゾーン」で、沿岸国に完全な主権があるわけではない。公海の一部であるため、外国船の航行は原則として自由である。2012年9月頃から中国公船の尖閣諸島周辺の接続水域への入域が半ば常態化しているが、沿岸国である日本の安全を脅かさない限り、また冒頭の要件に抵触しない限りは条約違反にはならない。

 ただ、16年6月頃から機関砲を搭載した中国公船の入域が確認されるようになり、18年1月には中国海軍の潜水艦の入域も確認された。21年2〜7月には、沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域内を中国公船が157日連続で航行し、12年の尖閣諸島国有化以降の最長日数となった。海上保安庁の巡視船はこうした威嚇的な行動については、領海に侵入した場合と同様、警告や退去要求を辞さない構えで、政府もその都度、中国政府に対して厳重な抗議を行っている。

※本内容は、『日経キーワード2022-2023』発行時点(2021年12月)のものとなります
日経キーワード 2022-2023』(日経HR編集部)

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1キーワードの解説をコンパクトにまとめ、定義や論点、「今」の状況を端的に押さえるのに最適。

 巻頭企画は激動の2021年を振り返り、未来を理解し生きぬくために重要な語を集めた「2021年の10大キーワード」。

 巻末「資料編」には日経ならではの「基礎用語 ミニ辞典」など、押さえておくと役立つ資料をまとめた。

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