時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。

ゲノム編集食品

  ゲノム編集とは、生物の遺伝子DNAの配列から特定の一部を切り取り、本来とは異なる性質を持った生物を作り出すこと。例えば、ニワトリの遺伝子からアレルギーの元になる成分を作る遺伝子部分を切り取れば、アレルギー物質の少ない卵を産むニワトリをつくり出すことが可能になる。2020年のノーベル化学賞は、「クリスパー・キャス9」というゲノム編集技術の開発者2氏が受賞した。

  海外企業ではゲノム編集食品の開発が顕著であり、日本でもいくつかの企業や団体が野菜やマダイなどの魚介類の開発に取り組んでいる。日本企業の届け出の事例としては、筑波大学とサナテックシードが開発した、栄養成分GABAが通常の5倍含まれているというミニトマトの苗が初めて認可され、21年秋からは販売が始まった。

  ゲノム編集食品は対象作物の遺伝子の一部を切り取ることで性質を改変するものだが、それは自然界で起こる突然変異と同じ仕組みとされ、「安全性に問題ない」とはされているものの、不安視もされている。また、ゲノム編集食品は、遺伝子組み換え食品とは異なり、その技術を使っているかの表示が義務付けられていない。海外でも対応が分かれており、今後も課題として議論されそうだ。

※本内容は、『日経キーワード2022-2023』発行時点(2021年12月)のものとなります
日経キーワード 2022-2023』(日経HR編集部)

 時事・経済ニュースがみるみる分かるようになり、短時間でビジネスや社会の動きをつかめる。11テーマ、キーワードは500以上掲載。

 K字経済、SDGs、半導体不足、リスキリング、DX、宇宙ビジネス、脱炭素、ヤングケアラー、8050問題……。

 就職・転職、資格試験、公務員試験、昇進試験、入試、ビジネスなど、さまざまな場面で活用できる。

 幅広いテーマについて「よく耳にするけれども、うまく説明できない…」 そんな言葉の意味や背景が分かる。
1キーワードの解説をコンパクトにまとめ、定義や論点、「今」の状況を端的に押さえるのに最適。

 巻頭企画は激動の2021年を振り返り、未来を理解し生きぬくために重要な語を集めた「2021年の10大キーワード」。

 巻末「資料編」には日経ならではの「基礎用語 ミニ辞典」など、押さえておくと役立つ資料をまとめた。

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