時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。

反トラスト法(独占禁止法)

 市場を寡占している企業がその立場を利用して競争を不当に阻害する行為などを禁止・制限する米国の法律。1890年制定の州際および国際取引における独占行為を規制する「シャーマン法」など3つの法律からなる。各国における独占禁止法のモデルとなった。米国では現在、約40年間不変だった独占禁止政策を見直す動きが加速している。

 米国は1970年代まで厳しい独占禁止政策を取った。だが1980年代のレーガン政権時代以降、消費者価格の上昇を招かない限り、M&A(合併・買収)や民間取引契約に国家はなるべく介入しない方針を貫いてきた。その後、インターネットの普及に伴い、GAFAによる市場の寡占が進み、その強大な力を利用した事業拡大手法に批判が集まるようになった。

 例えば、米アマゾン・ドット・コムが自社運営のECモールで自社製品を優先して消費者に薦めることは、プラットフォームを利用しビジネス展開する他の企業にとって不公平になる。2020年には米司法省などがグーグルやメタ(旧社名フェイスブック)を反トラスト法違反で相次いで提訴。人気ゲーム「フォートナイト」の開発元も20年8月、アップルが開発企業に課す30%のアプリ配信手数料を不服としてアップルを提訴し、米連邦地裁は1審で課金ルールについては反競争的だとして見直しを命じた。

 バイデン米大統領は21年7月、産業界の競争を促すための大統領令に署名。大手企業による利益の独占を厳しく取り締まり、消費者や労働者の不利を是正する。対象はIT大手だけでなく、金融や航空、通信など幅広い。「勝者総取り」の経済に一石を投じようとしている。

※本内容は、『日経キーワード2022-2023』発行時点(2021年12月)のものとなります
日経キーワード 2022-2023』(日経HR編集部)

 時事・経済ニュースがみるみる分かるようになり、短時間でビジネスや社会の動きをつかめる。11テーマ、キーワードは500以上掲載。

 K字経済、SDGs、半導体不足、リスキリング、DX、宇宙ビジネス、脱炭素、ヤングケアラー、8050問題……。

 就職・転職、資格試験、公務員試験、昇進試験、入試、ビジネスなど、さまざまな場面で活用できる。

 幅広いテーマについて「よく耳にするけれども、うまく説明できない…」 そんな言葉の意味や背景が分かる。
1キーワードの解説をコンパクトにまとめ、定義や論点、「今」の状況を端的に押さえるのに最適。

 巻頭企画は激動の2021年を振り返り、未来を理解し生きぬくために重要な語を集めた「2021年の10大キーワード」。

 巻末「資料編」には日経ならではの「基礎用語 ミニ辞典」など、押さえておくと役立つ資料をまとめた。

この記事はシリーズ「時代を切り取る日経キーワード」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。