時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。

マテリアルズ・インフォマティクス(MI)

 マテリアルズ・インフォマティクス(MI)とは、大量のデータとAI(人工知能)などの情報処理技術を駆使して新素材を開発する手法のこと。研究者の経験と勘を頼りに、実験と試作を繰り返しながら進めてきた従来の手法に比べて、開発期間を大幅に短縮できる。

 2011年に米国のオバマ政権(当時)がMIを活用して材料開発の時間を半減させる「マテリアル(材料)ゲノム計画」を打ち出したことがきっかけとなり、欧州や中国、韓国でもMI関連のプロジェクトが相次いで動き出した。日本でも15年7月〜 20年3月まで、国の研究機関である物質・材料研究機構(NIMS)が中心となり、民間企業と組んでMI研究のコンソーシアムを立ち上げた。16年には、MIを利用して開発期間を従来の20分の1にすることを目指す「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト(超超プロジェクト)」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の主導でスタートした。

 MIの活用は企業で本格化している。日立製作所と三井化学は21年6月にMIを実際の材料開発に使用する実証試験の開始を発表した。また、ENEOSホールディングスはAI開発のプリファード・ネットワークスと組み、二酸化炭素の排出を実質ゼロにする合成燃料の開発にMIを活用している。

※本内容は、『日経キーワード2022-2023』発行時点(2021年12月)のものとなります
日経キーワード 2022-2023』(日経HR編集部)

 時事・経済ニュースがみるみる分かるようになり、短時間でビジネスや社会の動きをつかめる。11テーマ、キーワードは500以上掲載。

 K字経済、SDGs、半導体不足、リスキリング、DX、宇宙ビジネス、脱炭素、ヤングケアラー、8050問題……。

 就職・転職、資格試験、公務員試験、昇進試験、入試、ビジネスなど、さまざまな場面で活用できる。

 幅広いテーマについて「よく耳にするけれども、うまく説明できない…」 そんな言葉の意味や背景が分かる。
1キーワードの解説をコンパクトにまとめ、定義や論点、「今」の状況を端的に押さえるのに最適。

 巻頭企画は激動の2021年を振り返り、未来を理解し生きぬくために重要な語を集めた「2021年の10大キーワード」。

 巻末「資料編」には日経ならではの「基礎用語 ミニ辞典」など、押さえておくと役立つ資料をまとめた。

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