時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。

日本国憲法の改正手続に関する法律

 1946年11月3日に公布された現在の日本国憲法は、それ以降70年以上にわたって一度も改正されることはなかった。これは、憲法改正の手続きに非常に高いハードルを課しているためといわれており、こうした改正が難しい憲法を硬性憲法ということもある。

 憲法改正に関しては、日本国憲法第96条に規定があり、その条文には、「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」とある。

 これまで、この規定を満たす状況は生まれてこなかった。ところが、憲法改正のための国民投票を規定した「日本国憲法の改正手続に関する法律」が、2007年に成立。さらに14年の衆議院選、16年の参議院選の結果、衆参両院で改憲を志向する勢力が、それぞれ3分の2を超え、現在の日本国憲法の成立以降、初めて憲法改正のための条件が制度的に整った。改憲論議の前進が1つの争点となっていた19年7月の参院選では、改憲勢力が3分の2を下回る結果となったが、9月には第4次安倍再改造内閣が発足し、安倍首相(当時)は改憲を成し遂げる決意を改めて示した。

 21年6月、憲法改正の手続きを定める改正国民投票法が成立。駅や商業施設で投票できるようにし、期日前投票の投票時間を柔軟にするもので、国政選挙などの投票環境を定める公職選挙法にそろえる内容だ。

 同年10月の衆議院選の結果、自民・公明の両党と改憲に前向きな日本維新の会、国民民主党を合わせ、3分の2(310議席)以上を上回った。今後の改憲論議の行方が注目される

※本内容は、『日経キーワード2022-2023』発行時点(2021年12月)のものとなります
日経キーワード 2022-2023』(日経HR編集部)

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