時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。

デカップリング

 英語で「分離」や「切り離し」を意味する。政治・経済の分野において「切っても切れない」密接な関係を切り離し、連動させないようにすること。2000年代後半、サブプライムローン問題で落ち込んだ先進国の経済を内需が好調な新興国の高成長でカバーし、世界経済の成長が続くという文脈でデカップリングという言葉が用いられた。現在は、米国と中国の経済を切り離す動きとして用いられることが多い。

 貿易摩擦に代表される米中経済のデカップリングは、生産拠点を中国に依存するリスクを高めた。そこで米バイデン大統領は2021年2月、対立する中国を念頭に「我々の国益や価値を共有しない外国に(重要部材の供給を)依存するわけにはいかない」と述べ、半導体や電池などの重点4品目の供給網を100日以内に見直すよう指示した。

 一方、中国は内需に軸足を置いた新たな成長モデルの構築に着手し、戦略物資などの輸出制限を強化する輸出管理法を施行するなど、米国の政策に左右されないサプライチェーンづくりを急いでいる。

 米中によって世界の共有財産ともいえる部品の調達網や技術が分断されると、企業にとってはグローバルサプライチェーンの見直しを迫られるだけでなく、日本で使っているスマートフォンを中国で使おうとしても通信規格が異なるために国際ローミングでの通話はできないなどの事態が生じる。

※本内容は、『日経キーワード2022-2023』発行時点(2021年12月)のものとなります
日経キーワード 2022-2023』(日経HR編集部)

 時事・経済ニュースがみるみる分かるようになり、短時間でビジネスや社会の動きをつかめる。11テーマ、キーワードは500以上掲載。

 K字経済、SDGs、半導体不足、リスキリング、DX、宇宙ビジネス、脱炭素、ヤングケアラー、8050問題……。

 就職・転職、資格試験、公務員試験、昇進試験、入試、ビジネスなど、さまざまな場面で活用できる。

 幅広いテーマについて「よく耳にするけれども、うまく説明できない…」 そんな言葉の意味や背景が分かる。
1キーワードの解説をコンパクトにまとめ、定義や論点、「今」の状況を端的に押さえるのに最適。

 巻頭企画は激動の2021年を振り返り、未来を理解し生きぬくために重要な語を集めた「2021年の10大キーワード」。

 巻末「資料編」には日経ならではの「基礎用語 ミニ辞典」など、押さえておくと役立つ資料をまとめた。

この記事はシリーズ「時代を切り取る『日経キーワード』」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。