時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。
リープフロッグ
カエル跳び(leapfrog)のように、途上国や新興国が新しいデジタル技術を導入することで、一気に技術革新を進め、経済成長を遂げること。交通・通信インフラなどで、先進国に遅れを取っていた中国やインドでは、2010年代以降、スマートフォンなどのモバイル機器の普及によって、金融サービスと情報技術を結びつけた事業(フィンテック)を拡大させた。電子商取引、キャッシュレス決済、アプリ送金、AI(人工知能)を活用した投融資・保険など多岐に及ぶ。中国政府は現在、「中国製造2025」を掲げ、産業分野でも大規模なリープフロッグに取り組んでいる。
インドは09年に国民IDシステム「Aadhaar(アドハー)」を導入し、正確な個人認証によって、各種行政サービスの効率化を推進。貧困層に適正な補助金を給付することも可能にした。
途上国が多いアフリカでも、リープフロッグが顕著に見られる。アフリカの中で比較的近代化が進んでいるケニアでも、以前は人口の約7割が銀行口座を持っていなかった。しかし、スマートフォンを使ったモバイルマネーサービス「M-Pesa」によって、送金・決済から、融資やローンの申請・契約などが可能になり、経済の“血流”の循環が一気に加速・拡大した。これによって、税金の徴収率も向上しているという。医療分野でも、モバイル機器を使った遠隔診断、ドローンを使った輸血用血液やへき地への医薬品の輸送ができるようになった。リープフロッグ現象で、先進国が数十年かけて整備・実現した事業やサービスがわずか数年、数カ月で可能になっている。
時事・経済ニュースがみるみる分かるようになり、短時間でビジネスや社会の動きをつかめる。11テーマ、キーワードは500以上掲載。
K字経済、SDGs、半導体不足、リスキリング、DX、宇宙ビジネス、脱炭素、ヤングケアラー、8050問題……。
就職・転職、資格試験、公務員試験、昇進試験、入試、ビジネスなど、さまざまな場面で活用できる。
幅広いテーマについて「よく耳にするけれども、うまく説明できない…」 そんな言葉の意味や背景が分かる。
1キーワードの解説をコンパクトにまとめ、定義や論点、「今」の状況を端的に押さえるのに最適。
巻頭企画は激動の2021年を振り返り、未来を理解し生きぬくために重要な語を集めた「2021年の10大キーワード」。
巻末「資料編」には日経ならではの「基礎用語 ミニ辞典」など、押さえておくと役立つ資料をまとめた。
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