時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。
デジタルツイン
「サイバー空間」とも呼ばれる仮想空間に対し、現実の空間は近年、「フィジカル空間」と表現される。現実世界から集めたデータを基に、サイバー空間に同じものを再現することを「デジタルツイン」という。ちなみにサイバー空間に同じものが2つ作られてもデジタルツインと呼ばれる。
例えばフィジカルの製品が故障した場合、現物を調査しなくてもサイバー空間にある「デジタルツイン」を調査・分析することで、原因解明につなげられる。また改良する際にはサイバー上でシミュレーションし、フィジカルにフィードバックするという手法もある。単なる製品だけでなく、コンビナートやプラント、大規模な工場など、フィジカルでは簡単に建設できないものについても、サイバー空間に構築し、検証してから実物を建設するといった工程を実現できる。
デジタルツインはサービスにも応用できる。有名なものでは航空機のエンジンがある。時間ごとの出力に対して燃料使用データの情報を取得し、製品納入とともにデータも渡すことで、併せて効率的な操縦のコンサルティングも提供でき、新しいビジネスへの応用が可能だ。IoT(Internet of Things)の進化とともに、フィジカル空間とサイバー空間の距離がより近づいたことの一例となる、新たな試みである。
実際の都市空間を3Dモデルで再現するデジタルツイン構築の試みも進んでいる。国土交通省は2020年に3D都市モデルのプラットフォーム「PLATEAU(プラトー)」の運用を開始。全国56都市のデータがオープンデータとして公開されている。人の流れなどのデータを重ねれば、街づくりや防災地図の作製などに生かせる。
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巻頭企画は激動の2021年を振り返り、未来を理解し生きぬくために重要な語を集めた「2021年の10大キーワード」。
巻末「資料編」には日経ならではの「基礎用語 ミニ辞典」など、押さえておくと役立つ資料をまとめた。
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