時代が変われば新しいキーワードが生まれる。知らないままだと、恥をかくことも。そんな新たな時代を表す注目用語をまとめたのが、『日経キーワード2022-2023』(日経HR)。本書から一部抜粋して重要キーワードを紹介します。
SNSの誹謗中傷
SNS(交流サイト)で特定の個人を誹謗中傷するメッセージを発信する例が後を絶たない。2020年5月、フジテレビの人気番組に出演していた女子プロレスラーの木村花さんが、SNS上で不特定多数の人から誹謗中傷を受けた後に死去し、インターネットを介した誹謗中傷が大きな社会問題となった。
法務省が発表した、法務局・地方法務局において20年中に救済手続きを開始したインターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件は1693件で、そのうちプライバシー侵害が900件、名誉毀損が430件だった。
総務省は20年9月、官民で誹謗中傷に取り組む政策をまとめた。さらに、SNSで誹謗中傷を受けた被害者をより迅速に救済するため、21年4月にプロバイダ責任制限法を改正。これまで損害賠償を求めて提訴する際は、SNS事業者と通信事業者の双方に発信者情報の開示を求める必要があり手続きに多くの時間や手間を要していたが、法改正によって開示請求は裁判所を通じて1度で済むようになった。
そのほかSNSも含めたすべての侮辱罪に関する現行法を改正する動きもある。法務省案では法定刑は「1年以下の懲役か禁錮、または30万円以下の罰金を追加し、時効は1年から3年へと延長する」としている。21年9月の法制審議会に改正を諮問した。
SNSを手掛ける大手企業も対策に乗り出している。LINEは投稿監視の指針を初めて公表。ヤフーは、AI(人工知能)で不適切な書き込みを削除する技術を、ネット事業者に無償で提供している。
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1キーワードの解説をコンパクトにまとめ、定義や論点、「今」の状況を端的に押さえるのに最適。
巻頭企画は激動の2021年を振り返り、未来を理解し生きぬくために重要な語を集めた「2021年の10大キーワード」。
巻末「資料編」には日経ならではの「基礎用語 ミニ辞典」など、押さえておくと役立つ資料をまとめた。
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