「メタトレンド」とは個別の現象を引き起こす元となる大きなトレンドのこと。新たに生まれるメタトレンドについて、考え、受け入れ、アップデートできる企業こそがポストコロナの世界で勝ち残れるとされている。企業は生き残るためメタトレンドにどう向き合うべきなのか?

 現代社会は様々な環境変化によって揺らいでいる。例えば、新型コロナウイルスの感染拡大によって生き方、働き方、学び方、買い方、遊び方は大きく変化した。こうした変化は様々なことに波及していく。リモートワークという新しい働き方は、雇用契約書や就業規則の変更といった雇用者と被雇用者の関係にも影響を及ぼしているし、在宅時間が長くなることで、隣人、近隣への意識が高まり、コミュニティーの重要性やそこにおける自分の役割について深く考えるきっかけにもなった。

 メタトレンドとは何なのか。漠然と理解している人も少なくないだろう。メタトレンドという言葉が最初に使われ出したのは2018年ごろのこと。大きな揺るぎない流れや動きである「メガトレンド」に対し、その流れとは異なる新たなうねりや風向き変化のことがメタトレンドとされている。

 メタトレンドの「メタ」は、メタ認知などでも使われている言葉だ。超越や別次元、高次元といった意味があり、メタトレンドは「トレンドを超えた」という意味になる。最近では米フェイスブックが採用した「Meta(メタ)」という新社名にも使われている。ちなみに同社がビジネスにしようとしている「メタバース」は仮想空間を意味し、「メタ」+「ユニバース(世界)」から生まれた造語だ。

 今までは中長期でメガトレンドを追うのがビジネスの原則だった。しかし、環境変化がより大きく速くなっている中、企業はメタトレンドを追うことにも注力しなければならなくなってきた。メタトレンドへの対応が遅れると、顧客や市場から取り残されかねないからだ。

 メタトレンドは同時多発的に生まれた小さな渦が絡み合って新たな潮目を生み出す場合もあれば、新型コロナウイルスの感染拡大による変化のように、一気に拡大する場合もある。それだけにメタトレンドを予測することは難しいのも事実だ。

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