コストカットか、働き方改革か

 週休3日制を苦肉の策として導入する企業もある。例えば飲食店や観光業に従事する企業だ。日本経済を新型コロナが直撃し緊急事態宣言が発令された結果、飲食や観光に関わる人材リソースは余剰が出る事態となった。短期的に状況が改善する可能性もあるためリストラもできず、かといって、通常通りの営業がままならない中でこれまで通りの人件費を払い続けることも難しい。そうしたジレンマから、暫定的な週休3日制の導入に踏み切る企業が出てきた。緊急事態宣言が明けた現在は、週休2日、3日のどちらでも選択できるという企業も生まれつつある。

 先進的な仕事への取り組み方としての週休3日制だが、目的が違えば、社員の受け取り方もまったく異なる。

(1)人件費削減を目的とした週休3日制

 月収30万円のある社員は、週休3日制を導入することにより給与が20%カットされ、月収が24万円となる(税や賞与を除く概算)。

 企業としては、人件費カットができるメリットがあるが、社員にとっては、労働時間が減るとともに収入も大きく減少。会社全体で週休3日制に変更することが決定した場合、ライフプランを大きく見直す必要が出てくるだけでなく、場合によっては副業や転職を視野に入れる必要性も出てくる。

(2)働き方改革としての週休3日制

 給与を据え置いたまま、勤務日数だけを減らす場合はどうだろうか。社員としては、労働時間の削減を実現しながらしっかりと給与を得ることができる。1日増えた休みでしっかりと心と体を休めることができ、仕事にもこれまで以上に集中することができるだろう。

 日立製作所では1万5000人の従業員を対象に、給与を維持したまま週休3日制となる勤務制度を22年度内に導入することを発表した。これによって優秀な人材の確保や離職率の低下も期待できる。だが、単純労働時間が20%削減されることによって、業績が下がるようでは意味がない。週休3日制の利用者に対しては、高い水準での業務量や勤務レベルを求めていく必要があるだろう。

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