NFTの活用が見込まれる分野
NFTの活用は何もアート分野に限った話ではない。多くの企業の参入やマーケット化が生まれつつあるため、その一部を紹介したい。
(1)コレクターアイテム・トレーディングカード
希少性や独自性が価値をつくるトレーディングカード。それをNFT上に実現した「NBA Top Shot」というサービスは、NBA選手のプレー画像や動画がランダムで封入されている。これらを購入、交換や売却ができるようになっており、一部は高額取引の対象だ。そのロイヤリティーはNBAと販売事業者で分割される形となっている。

日本でも、アイドルグループやスポーツチームがNFTのデジタルトレカに参入しており、デジタルなデータに対して価値が生まれつつある状況と言えるだろう。
(2)ゲーム
ゲームをプレーした際に、そこで得たキャラクターやアイテムの所有権はゲーム会社に依存していた。だが、NFTがあればトークンを利用して個々人がデータを持つことが可能になる。また、価値のあるアイテムを売買することがNFTで一般化される可能性がある。
もともと、MMO(Massively Multiplayer Online)と呼ばれるネット上のゲームでは、金銭とアイテムをトレーディングする構造があり、規約違反ながら裏で取引される場合もあった。だが、それを最初からゲームに組み込めばユーザーも運営者側もどちらも利益を得られる構造となる。新たなヒットの兆しは見せているものの、ゲームファンの中には反発する層も一定数存在しており、定着するかは未知数だ。
(3)音楽
当初アーティストが目新しさの追求やアルバム販売へのプロモーションとして採用したNFTであったが、その一部が高騰。参入が相次いでいる。サブスクリプションサービスに加入すれば聴ける音楽であったとしても、NFT化することで別の軸の価値を生み出している。
その楽曲自体の権利まで売却しているわけではない。あくまでNFT上の権利が得られているだけという点に留意しておく必要がある。また、「音楽出版権」と「原盤権」が高騰しつつある中、NFTが新たな火種を生む可能性もある。
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