ガンダムのプラモデル(ガンプラ)の品薄が問題となり、ファンの不満が高まっているバンダイナムコホールディングス(HD)。だが、ガンプラの人気は同社の業績に追い風となっている。
2022年3月期にバンダイナムコHDの売上高は前年同期と比べて9%増の8100億円、営業利益は13%増の960億円といずれも過去最高を更新する見込みだ。ガンプラの好調ぶりを象徴するのが、機動戦士ガンダム関連の売上高。22年3月期は1080億円と前年同期から14%増を見込む。
新型コロナウイルス禍が長期化する中、自宅で楽しめる趣味としてガンプラの人気が世界的に高まっていることが力になっている。ガンダムだけではなく、ドラゴンボール関連も人気で同7%増の1365億円、ワンピース関連も同16%増の440億円を見込んでいる。
業績好調を背景に、バンダイナムコHD傘下のバンダイとBANDAI SPIRITSは、2022年4月から大卒新入社員の初任給を30%引き上げ、月額29万円にする。全社員の月額給与も平均27%引き上げる予定だ。バンダイナムコ エンターテインメント(BNE)も全社員の基本給を平均5万円引き上げる予定で、グループ全体で大幅な賃上げを実施する。
もちろん給料を上げる以上、その裏付けとなる成長戦略が重要になる。バンダイナムコHDは大盤振る舞いを決める一方で、どのような戦略を中期的に描いているのか。注目が高まっているガンダム関連のビジネスを中心に紹介する。
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