ロボアドバイザーによる投資は変化するか

 外貨投資や暗号通貨(仮想通貨)などと違い、ロボアドバイザーは手堅い長期運用をベースとした取引を推奨している。事業者が売買取引時の売買手数料ではなく、預かり資産に応じた年間ベース運用手数料を収益としているのもそうした背景からだ。

 だが、ロボアドバイザーによる投資はその手軽さ、そして投資初心者の利用が多いことから、利用者が自分の投資ポートフォリオをつぶさに確認しないことが多い。多くのロボアドバイザーのサービスでは、個人のポートフォリオ情報を確認できる。ただ、利用者は自分の現時点の資産額やその変化チャートぐらいしか見ないことが多いのだ。

 ロボアドバイザーは手軽に投資ができることもあって、利用者が投資に対して深く考えないまま使いがちだ。投資をすることは、投資した先に自らが責任を持つことが大前提にある。ロボアドバイザー事業者は、利用者の拡大と共に、投資のことをあまり理解していない利用者に学びの機会や仕掛けを提供することが大事だろう。そうでないと、中長期的なダウントレンド時に事業者が期待する長期保有による運用をあきらめ、解約が相次ぐことにもつながりかねない。そういう意味でも、自動運用型ロボアドバイザー事業者の担う役割は大きいといえる。

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