資産形成の方法として認知されつつある「ロボアドバイザー」。ロボアドとも略されることもあるこの投資手段は、投資信託や個別株投資などと比較して、そのシンプルさと分かりやすさから市民権を得つつある。
自動的に資産運用案をつくってくれる新たな資産形成方法
日銀の低金利政策により、銀行や郵便局にお金を預けるだけでは資産形成は難しい。それどころか大手銀行では口座を維持するだけでもお金が減ってしまう状況になっている。預貯金は資産形成につながらないのだ。
その一方で「老後資金には2000万円必要」と言われだし、最近では3000万円必要という論調まで出てきている。本当にどの程度必要かは個人・世帯によって異なるとはいえ、年金だけでは老後の生活に不安を感じる人が少なくないだろう。その状況を改善し、資産をつくるために何ができるのか。いきなり株式投資や投資信託を始めるのは難しいと多くの人が悩む中、ロボアドバイザーの利用者が急速に増えているのだ。
ロボアドバイザーは誰が運用している?
名称は「ロボ(ロボット)アドバイザー」だが、ロボットが運用しているわけではない。実際には、プログラムされた運用ルールに基づきAI(人工知能)などを利用し売買する。そんなロボアドバイザーは、大まかに分けて2種類ある。1つは自動運用型、もう1つは助言型だ。
自動運用型は、投資一任型とも呼ばれ、利用者の投資額や投資目標、プロフィルなどに沿って、最適な投資ポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を自動で作成。入金をするだけで、国内外で分散投資による資産運用をするものだ。投資資金は個別株やETF(上場投資信託)、金、REIT(不動産投資信託)などの分散購入に使われる。
個人の投資家は、何も考えることなく分散投資や長期投資の恩恵を受けられる。ロボアドバイザーの事業者は預かり資産などを基に算出される手数料を収入としている。毎年手数料がかかる仕組みだが、自分でポートフォリオを考えたくない人や、複数の金融商品を吟味することを煩わしいと考える人にはメリットだ。
もう1つのロボアドバイザーのタイプが助言型(アドバイス型)だ。事業者から助言を受け、それを参考にポートフォリオを自分で組む。取扱商品としては、投資信託やETF、国内株式などがある。基本的に購入判断するのは投資家だ。ほとんどの場合、助言型ロボアドバイザーの利用そのものは無料だ。自動運用型と違い、ある程度の投資知識が必要となるため初心者には少しハードルが高い。だが、利用者自身の投資戦略や考えを反映させたポートフォリオをつくることができる。
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