しかし、マイクロソフトやエクスペディアなどの多くの企業がビットコインでの決済を可能にしており、ビットコインの資産としての価値だけでなく、その利便性も着実に高まりつつある。また、2021年1月にはテスラ社が15億米ドル分のビットコインを購入(その後、一部売却)し、ビットコイン投資を財務戦略の一部として据えるなど、その価値を評価する企業も出始めている。

 ただ、ビットコインを巡るテスラ社の動向が注目されるようになった結果、同社CEOであるイーロン・マスク氏の発言力が強まりすぎてしまった。同氏のビットコインを巡る発言がビットコインの価格に大きな影響を与えるようになったからだ。5月13日には、自身のTwitter上でビットコインのマイニングに莫大な電力を要する点を指摘し、テスラ社がビットコインを取引の決済手段として利用しない旨を公表。その後、ビットコインは10%以上急落した。一方で、22日には『暗号通貨を支持する』と自身のTwitter上で発言したことを手がかりに、その後ビットコイン価格は10%近く上昇した。ビットコインに投資をするのであれば、こうした個人の発言に一喜一憂することを覚悟しなければならない。

 誕生からわずか十数年で、単なる暗号理論研究者の一研究が、世界の金融を変化させる通貨へと成長した。現在では投資資産としての人気が高いが、その価値が普遍的になったとき、ナカモト・サトシの考える世界観が実現できるのではないだろうか。

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