発掘(マイニング)

 ビットコインは通常の通貨と異なり、政府や中央銀行が「刷って」いるのではない。ユーザーが発掘することで新たな通貨が発行される。この発掘が行われるのが、ビットコインの保有者が取引のやり取りを行う際である。ビットコインの取引は第三者が取引情報を承認することによってはじめて実行される。そのため、この承認者としての役割を担うことに対する報酬がビットコインによって行われる。こうした承認に対する報酬の獲得を「発掘」と呼ぶ。

 現在PC機器の一部が高騰しているのは、個人や団体がマイニングを行っているのも一因とされている。ビットコインの熱気が高いうちは、パーツの買い占めが発生し、自分でマイニングを実施しようとする層が一定数いるのはまちがいないだろう。

ビットコインはフィアット通貨とその特徴が大きく異なる(写真:Shutterstock)
ビットコインはフィアット通貨とその特徴が大きく異なる(写真:Shutterstock)

フィアット通貨との違い

 ビットコインの様な「仮想通貨」に対して、現実世界で使用される通貨は「フィアット通貨」と呼ばれている。日本円や米国ドル、英国ポンドなどがそれにあたる。これらフィアット通貨の特徴は、大きく2つある。

(1)政府や中央銀行から権威が与えられている
(2)中央銀行の金融政策の対象となる

 つまるところ、フィアット通貨には政府や中央銀行の存在が不可欠である。(1)については、それぞれの通貨について政府なり中央銀行がその価値を保証している。(2)は国内のインフレ率や雇用などの経済状況に応じて政策金利や中央銀行への準備預金額を上下させるなど、経済の調整弁として利用される。

 一方で、ビットコインをはじめとする暗号通貨には、そういった特徴を持ち合わせていない。特定の機関によって権威も与えられていないし、金融政策の対象でもない。ただ、それ以外の特徴は通貨によって大きく異なっており、一概に表現できるものではない。

 ビットコインの特徴は、「最大発行量があらかじめ決まっている」ことだ。ビットコインの最大発行量は約2100万枚であると定められており、全ての通貨が発掘された時点で通貨の供給は終了してしまう。執筆時点では、約1900万枚が既に発掘されている。 ビットコインの新規発行の速度を調整するために発掘に際する報酬が順次改定されており、約4年毎に訪れる「半減期」と呼ばれるイベントにて報酬額が減額されている。半減期を迎えることによって、徐々に発掘に伴う新規発行量が減少していき、100年以上先の2140年には約2100万枚の最大発行量に達すると予想されている。

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