近年、メディアをにぎわすビットコイン。CMだけでなく日常会話でも登場する機会が多くなってきた。だが、その激しい値動きから、あたかも「ビットコイン≒投機やギャンブルの一種」としての報道が多くなされている。そのため、ビットコインが何なのかをいまいち理解できておらず、怪しい・怖いといった印象を持つ読者も多いのではなかろうか。そんなビットコインについてその歴史や基本などについて紹介していきたい。

(写真:PIXTA)

ビットコインの歴史

 ビットコインが世に認知されるようになったのは、2008年、暗号理論の研究者とみられるナカモト・サトシなる37歳の日本人が『Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System』という論文を公表したのが初めと言われている。2009年には、ナカモト・サトシ氏が最初のビットコインとなる50ビットコインを「発掘」した。当初のビットコインは、こうした暗号理論の研究者のごく一部のグループ内で趣味として開発・流通されていた「暗号資産」であり、市場に出回ることも現実世界で使用されることも無かった。

 最初の大きな取引が行われようとしていたのは2010年であった。bitcointalk.orgという電子掲示板(BBS)のとあるユーザーが1万ビットコインをわずか50米ドルで売却を試みた。しかし、他のユーザーから提示された価格は最も高いものでも、わずか25米ドルであり、そもそも数人しか購入に興味を示す人間はいなかった。結局、買い手は付かずに取引は終了。この失敗に終わった取引価格は1ビットコインあたり、たったの0.005米ドルであったが、そのわずか2か月後には1ビットコインあたり0.01米ドルまで上昇するなど、急激な価値上昇の兆候がこのことから表れはじめた。

 同時期には、ある投資家がピザ2枚を1万ビットコインで購入するという最初のビットコインを用いた商取引も成立している。さぞかし高級なピザであっただろう。その後は、世界でのビットコインの認知度があがるにつれて、市場価値も上昇していき、2011年には1ビットコインあたり1米ドルを超えた。その後も、世界中の商取引でも利用可能となったことに加え、取引所や販売所が開設されるなど、通貨としての利便性・換金性が飛躍的に高まり、資産価値が爆発的な上昇を見せた。今現在(2021年5月時点)では、1ビットコインあたり3万5000米ドルを超える程の価値となっている。

ナカモト・サトシ氏とは誰なのか?

 ビットコインの生みの親が日本人ともそうでないとも言われているが、名前だけで日本人だと判断することは難しい。一説には個人ではない可能性もあるとされており、素性については謎に包まれたままだ。

 氏名・年齢・国籍は自称であり、実際ナカモト・サトシ氏が誰なのかは明らかになっていない。そのため、ナカモト・サトシ氏は単なる架空の人物である可能性が高いと言われている。ある研究者は、彼のBBSでの投稿時間のパターンから「英国人(ないしは英国に住んでいる人間)」との考えを示している一方で、同名の日系米国人の研究者を本人とみなす説も存在する。

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