見せかけのユニコーン
もっとも、外形的にユニコーン企業の条件を満たしていても、その企業が必ずしも良い企業という訳ではない。売り上げや利益が成長曲線に乗っているように見えても、そこが山のピークであることもあり得る。直近の売上高だけで評価するのは難しいのがベンチャー企業だ。評価額はときに、期待値で高値先行となる場合もある。フェアバリュー(適正価格)が低いにもかかわらず、資金を集めるのが上手な企業も一定数存在する(そういった企業は、上場後に淘汰されることも多い)。
日本の市場では、単に企業の上場を促進するだけでなく、創業自体の数を増やし、リスクを取る企業をもっと育てる土壌が必要だ。ベンチャー企業も、上場という出口を追い求めるだけではなく、すぐには上場をしないという選択も必要になるだろう。
日本においては伝説の幻獣にとどまっているユニコーン企業。ポニコーンではなくユニコーンをより増やしていく環境づくりが必要となっている。
(文=東雲八雲)
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