男性と女性の2つでは表現しきれない性の多様性
性の多様性については、多くの知っておくべきことがある。まず、生物学的な性が存在する。生まれたときの性別というものだ。その上で、自分自身をどういった性に分類するかを自覚する性自認。そして、性的指向(好きになる性)や性的表現(表現する性)といった分類がある。
生物学的な性と性自認が同一の人もいれば、異なることによって日々の生活に不便やストレスを感じる人も存在する。あえて分類しないことが自分らしいと感じる人もいる。
性自認がノンバイナリーだと考える人もいれば、性的表現だけがノンバイナリーな人もまた存在する。そうした多様性があるということを認識し、尊重することがまずは第一歩となる。そうした流れが欧米の常識になりつつあると頭に入れておくとよいだろう。
ノンバイナリーのカミングアウト
海外アーティストやセレブリティーたちも自分の性的指向や性自認を告白することが一般化しつつある。その中で、ノンバイナリーであることを告白する人も増え、英ウェールズのバンガーではノンバイナリーをカミングアウトした市長が誕生した。
北京2022冬季オリンピックのフィギュアスケートのペアに出場し、8位入賞した米ティモシー・ルデュク選手。この人もまた大会出場前にノンバイナリーであることを公表していたことで注目を浴びた。
そういった社会的な動きをいち早く取り入れることで知られる玩具メーカーの米マテル。自由に性別変更が可能な、他にはない着せ替え人形を発売している。ノンバイナリーは一時的なトレンドではなく、不可逆的な変化であることを印象付けた。
日本では、アーティストの宇多田ヒカルさんが、2021年6月の「プライド月間」(LGBTQ+の権利を啓発し広めるイベントが多く開催される月)の期間中に自身のインスタグラムでノンバイナリーであることを明らかにした。

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