調理開始

1 にんにく、しょうがをすりおろす。鶏もも肉は1枚を7等分にする(1個40~45グラム見当)。先端の広い方がつけ根側で、細くなっている方がつま先(もみじ)に近い。広い方と先端が細くなっているところの中間あたりで分割。その後、もも側を4分割、細い方を3分割するとだいたい同じ大きさに切りそろえられる。

右側がもも側、左側が先端。薄いところは大きめにカット、厚いところは小さくカットをしてバランスを取る
右側がもも側、左側が先端。薄いところは大きめにカット、厚いところは小さくカットをしてバランスを取る

2 ボウルに調味液の材料をすべて入れ、軽くもむように全体をしっかり混ぜる。すべての水分を鶏肉に吸わせなくてもいい。片栗粉を加え、全体を混ぜる。粉が残りすぎるようなら混ぜる手に水をくぐらせて粉を湿らせ、皮が外側に来るよう団子状に丸めてボウルに並べる。

長時間漬け込むと全体が平板な味になりやすい。いい鶏のときほど漬け込まないようにする。この時点でいったん成形しておくことで、揚げ鍋に肉を入れるときの手間を省けるのと、投入し始めと終わりの時間差を短く小さくできる
長時間漬け込むと全体が平板な味になりやすい。いい鶏のときほど漬け込まないようにする。この時点でいったん成形しておくことで、揚げ鍋に肉を入れるときの手間を省けるのと、投入し始めと終わりの時間差を短く小さくできる

3 直径20センチ程度のフライパンに揚げ油を2センチ程度の深さまで入れて、中火にかける。油温を180度まで上げる。団子状に丸めた鶏肉の皮を上(鶏肉を丸めたことによる継ぎ目を下)にして揚げ油に入れる。

継ぎ目を下にして揚げることで接着させる。触ると鶏肉と衣がはがれやすいので、30秒間は触らないこと。下半分が揚げられている間に、油の上に顔を出している上半分は休ませている状態
継ぎ目を下にして揚げることで接着させる。触ると鶏肉と衣がはがれやすいので、30秒間は触らないこと。下半分が揚げられている間に、油の上に顔を出している上半分は休ませている状態

4 1分揚げたら、上下を返してもう1分揚げてバットに取る(揚げている間、肉は極力触らない)。4分休ませる(大量に揚げる場合には、ここで休ませている間に、次の肉を揚げる)。

片面ずつ火入れをして、4分休ませる間に余熱で8割方火が入る。大量に調理する場合も、休ませている間に次の肉を揚げられるので、ほぼ同時に仕上げられる
片面ずつ火入れをして、4分休ませる間に余熱で8割方火が入る。大量に調理する場合も、休ませている間に次の肉を揚げられるので、ほぼ同時に仕上げられる

5 鍋を中火にかけ、油を再び180度まで上げ、3をもう一度表裏1分ずつ揚げる。引き上げてから1~2分が食べごろ。外側に肉の繊維をしっかり感じ、内部に行くほどジューシーなグラデーションが楽しめる。

肉全体をやわらかく仕上げたいときには、2度目の揚げを表裏30秒ずつに短縮して、引き上げた後は必ず2分以上休ませてから食べる
肉全体をやわらかく仕上げたいときには、2度目の揚げを表裏30秒ずつに短縮して、引き上げた後は必ず2分以上休ませてから食べる
肉の中心温度はおよそ65~70度
肉の中心温度はおよそ65~70度

 鶏のから揚げという大衆的な料理だが、揚げ方ひとつとっても狙いは設定できる。近年のスーパーで販売している鶏肉はやわらかい。ならば、外側はしっかり食感、内側をジューシーかつやわらかく仕上げ、肉々しい食感と肉汁を両立させる。鶏のから揚げという大衆的な料理も実に奥が深い。

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