2社の対立は消えたのか

 もともとは兄弟が結束して事業をスタートさせたものの、その後の兄弟間のあつれきは意外なところにも影響を与えている。

 アディダスとプーマが本社を置いたヘルツォーゲンアウラハは、世界的シューズメーカーを2社も生み出した地となった。だが、兄弟げんかは、地元住民も巻き込み、火花を散らすことになる。カフェやバーでは、席がアディダス派かプーマ派かに分かれており、履いている靴を確認しなければろくにコミュニケーションも取れなかった。交際相手がどちらの靴を選んでいるかも重視された。

 そんな状態のため、人に話しかける前に相手の靴のメーカーをまず確認しなければいけない。人々が足元の靴を確認するために首をかしげるため、ヘルツォーゲンアウラハは「首を曲げる町」と呼ばれていた。

 共に一族経営ではなくなったことから、現在ではどちらの靴を履いても気にされなくなったとされるが、靴を見合う文化はいまだに残っているともいわれている。

(文=宇佐美フィオナ)

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