福島:メインバンクではないのですが、入社2年目にある銀行から求められて断りました。「私が借りた金ではありません」と申し上げたところ、「もちろん結構です」ということでした。

星野:おそらく銀行にとって、しっかりした後継者がいることが何より重要だったのでしょう。支えになる幹部はいましたか。

福島:父の古参幹部に一人、すごく優秀な方がいました。役員の大半はリストラせざるを得なかったのですが、その方には「財務を見てほしい」と頼みました。しかし、なかなか引き受けてくれません。「確かに親父の世話にはなったが、あなたの世話にはなっていない」という主張です。結局、自宅を3回訪問した末に財務担当の常務になっていただきました。

 その常務の存在は正直、大きかったです。お金が絡む交渉を全部一緒にやってもらいましたし、年も30歳ほど上で、何となく「お父さん」といった感覚でした。

星野:なぜ、福島さんを応援する気持ちに変わったのでしょう。

福島:どこかの段階で、信頼してくれたのだと思います。3回目に自宅を訪ねたときは、ビールを出してくれましたから(笑)。会社がどれほど危機的なのかが分かったのも、大きかったと思います。ワンマンな父の時代には見えなかった経営の実態と、自分が知る名門ゴルフ場としての姿との落差にショックを受けたようでした。

星野:それでもやはり、福島さんが置かれた状況は、かなり厳しかったと思います。戦い続けることを可能にしたモチベーションの源泉は何だったのでしょう。

福島:とにかく「経営再建」。それが目標でした。

星野:何となく「再建できる感覚」があったということですか。

福島:そこは微妙で、特に根拠もなく「うちだけは大丈夫」と思い込んでいるような感じです。

社員とファミレスで徹夜

星野:つまり、明確なルートが見えているわけではない。それでも粘り強く勝負を続けることにモチベーションを見いだせた?

福島:そうですね。実際に会社は目に見えて良くなり、働く人の表情も変わっていきましたから。