星野 「ほかのこと」というのは、例えば、社会貢献活動のようなことですか?

松本 そうそう。それと趣味。

星野 趣味……。

松本 道楽ね(笑)。

後継者は道楽に走る?

星野 いやあ、確かに。名前は言えませんが、一瞬で数社、頭に浮かびました(苦笑)。創業者の献身と、後継者の道楽。これは耳が痛い。しかし、どうしてですかね。私は、後継者になる人たちのためにファミリービジネスを研究しているのですが。

松本 創業者と後継者では、自分の仕事に対する「好きさ」が、決定的に違うのですよ。それはもう、後継者の人間性とか徳の問題ではなくて、そういう性質のものなのです。だから、トップの座に長くいてはいけない。

星野 では一般論として、創業者のパフォーマンスを後継者が上回るのは難しいのでしょうか。

松本 創業者が偉大過ぎなければ可能でしょう。実際、優秀な2代目、3代目は多くて、なかには経営者としての資質と情熱を併せ持ち、創業者に準じて長く経営していい人もいるでしょう。

星野 私自身の経験から考えると、小さな会社ならば、息子や娘が継ぎやすいのですが、規模が大きくなると難しい。それは、小さな会社を成長させるという経験が、経営者自身を育てるところが多分にあるから、という気がします。

松本 加えて、競争環境の変化もあるでしょう。100年前からやっている旅館を、今日も明日も来年も、同じように経営すればいいなら、深く考えずに息子や娘に継がせてもあまり問題はない。

 けれど、今のように外資系ホテルの上陸もあれば、ネットを使った民泊も台頭するといった、競争が激化する状況では、油断もスキもありません。相当に優秀な後継者を選ばなくてはなりません。

(この記事は日経BP社『日経トップリーダー』2016年5月号を再編集しました。構成:小野田鶴、戸田顕司、編集:日経トップリーダー

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