(写真/PIXTA)

「高度成長期のインフラ整備にさかのぼる大手企業と自治体との関わり」という意味深なフレーズで締めくくった前回

 今回は、この意味深なフレーズの背景を紐解いた上で、誰もが耳にしたことがあるであろう「地方創生」の仕組みから、中小企業の自治体ビジネス参入の鍵を浮き彫りにするところから始めたい。

蜜月時代の負の側面

 下の図を見てほしい。成長社会と成熟社会で行政サービスの需要と領域がどのように変化したかを表したものだ。

 戦後の復興から成長へと転じた1960年代以降。道路や橋の建設、上下水道などのインフラ整備、住民サービスのための公共施設の建設などの施設整備が必要とされていた、公共行政と民間の建設・土木業界との蜜月時代だ。困難な公共工事に挑み、未来を共に切り拓くという夢を共有した素晴らしい時期だった。

 一方でこの関係性が招いてしまった負の側面もある。それは、官公庁と民間企業の距離が縮まったがゆえに頻繁に起こるようになった癒着、談合、贈収賄。中でも93年に発覚したゼネコン汚職事件のインパクトは、「政界・官公庁と大手企業は裏で……」という一般市民の固定概念を決定づけるには十分すぎた。

「入札・プロポーザル」からの参加もできる
自治体営業7つのフェーズにおける活動内容

 そう、この負の側面こそが、前回述べた「江戸時代の庶民脳」が出来上がった遠因なのだ。

 さて、社会が成熟段階へ移行すると、インフラ整備は一定の役割を終え、維持管理のフェーズに入る。ここで待ち受けていたのは、住民ニーズの多様化・高度化・細分化、そして自治体が直面したことのないソフト分野中心の社会課題だ。子育て支援、女性活躍推進、空き家対策、LGBT支援など枚挙にいとまがない。

 厄介なのは、これらの新たな社会課題に対応するための技術・サービス・経験を、行政サービスを提供する側の自治体が持っていないこと。自治体は、今や民間企業の力を借りずして行政サービスを提供することは不可能なのだ。

 では、自治体ビジネスといえばこれ、というほど市民権を得ているキーワード「地方創生」の分野の現状はどうなっているのだろう。