とろさば料理専門店「SABAR(サバ―)」を運営する鯖や(大阪府豊中市)は、これまでクラウドファンディングを巧みに利用して店舗を展開してきた。そして、ついに3月8日(サバの日)に、自身過去最高の1億1380(いいさば)万円の募集を始めた。鯖街道の復活を狙い、起点である福井県小浜市と手を組んだ(前回の記事はこちらをご覧ください)。

 2017年の3月8日のサバの日に、クラウド漁業のためのクラウドファンディングをスタートさせました。ファンド名は「SABAR鯖街道よっぱらいサバプロジェクト」。目標額は、なんと1億1380 万円。イイサバ×10万円です。私たち「鯖や」はこれまでも新店の開店資金などをクラウドファンディングで調達してきましたが、1億円を超える額を目標にするのも、クラウド漁業に踏み出すのも、今回が初めてです(注:実際には2本のファンドに分けて同時募集する形になります。2本目のファンドについてはこちらをご覧ください)。

みぎた・たかのぶ
1974年大阪府生まれ、大阪市立淀商業高等学校卒業後、鮮魚店に勤める。97年、オーストラリアに渡り、回転すし店に就職し、事業拡大に貢献した。2000年に異国し、04年に大阪府内に居酒屋をオープン。そこでの人気メニュー、サバ寿司の拡販し、07年に「鯖や」を設立して、社長に。とろサバ料理専門店「SABAR」を展開するほか、サバの普及や食育にも取り組む(写真:陶山勉)

 クラウド漁業とは、という話をする前に、現在、福井県小浜市が置かれている状況について説明をします。

 アメリカに同じ名前の大統領が誕生したときに大いに盛り上がった小浜市は、実はサバと縁が深い街です。「鯖街道」の起点なのです。鯖街道とは、小浜で上がったサバを、京都まで運ぶのに使われていた街道(一節には、3つの道があったそうです)で、その起源は1300年前とも言われています。

水揚げはわずか1箱だけ

 実際に小浜の港では、かつて、多くのサバが水揚げされており、ピークの1974年には年間3580トン(市内の一部地域のみのデータ)にも達しました。ところが2014年は、年間700キロ。700トンではなく、700キロです。小浜の市場を訪れてみると、サバの入ったトロ箱(発泡スチロールの箱)はわずか1箱だけでした。時には、数尾しか上がらないという日もあるのです。鯖街道の起点でありながらいつの間にか漁獲量が減り、小浜で流通するサバの9割以上がノルウェー産に置き換わっていたのです。