自責化人間は他責化人間より伸びる

 では、モノではなく、ヒトに対する永久保証はあり得るだろうか?

 例えばスノーピークで、問題を起こしたスタッフがいた場合、問題に対する処分をどうするか。以前、役員が集まる場で話し合ったことがある。結論は、問題を起こしたスタッフがスノーピークという会社をまだ心から好きでいるかどうかで判断しようということになった。もし、スノーピークのことがもう好きでなければ、会社からお引き取り願うこともあり得る。

 スノーピークのことが好きなスタッフであるにもかかわらず、立ち居振舞いが悪いのならば、育てる私たちの責任だ。その場合は、まだ更生できる可能性がある。

 一方で、スノーピークが嫌いになった人を救うことは難しい。スノーピークを嫌いになる人は、「常に自分は正しく、相手が悪い」と他人に責任を押し付ける「他責化タイプ」が多いように感じる。

 他責化タイプは、仕事で問題が発生するたびに会社が悪い、環境が悪い、お客さんが悪いと相手の文句を言う。周囲のせいにすることはいくらでもできるが、それでは問題の解決にはならない。

 問題を解決できないので、ますます周囲が嫌いになる。上司のことが嫌いになり、自分の置かれた環境が嫌いになり、会社が嫌いになるのだ。

 面白いデータがある。

 昨年までの数年間、約60店舗ある既存店での平均売上高は前年比約130%で推移した。

 店舗はユーザーとの接点となる大切な場だけに、役員も店長の行動に注目している。すると、なぜか店舗の中で、自分のことはきちんと責任を持って考える「自責化タイプ」の店長は3割以上売り上げを伸ばし、他責化タイプは3割ほど売り上げを落としていた。
 自分の問題点は自分の責任と常に捉え、「自分の行動を変えれば問題点は克服できる」と考え続けられる人は、成績を伸ばせるのだ。

昨年の既存店売上高は3割伸びた

 では、他責化タイプの人間をどうやって自責化タイプにすればよいのか。

 実は、他責化タイプになるのは、過去に成功体験のあるベテランが多い。

 他責化タイプのスタッフを集め、ちょっと冗談交じりに「へんこつ(頑固者)ベテランチーム」と名付け、人や環境を責める前に、自分を顧みてほしいと促した。

 すると、考え方を改めるスタッフが出てきた。半信半疑でも、自分の行動を変えることで問題を解決できたり、売り上げが伸びたりする成功体験を重ねるうち、自分が間違っていたと気付いて変わってくれたようだ。

(構成:福島哉香)

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