残業削減で得た大きな効果

 残業を減らした効果は、計り知れないものがありました。特に大きかったのは、女性が働きやすい環境に変わったことです。僕らのブランドは、女性向けばかりですから、意思決定に女性が関わることは会社の成長に欠かせません。

 しかし、上司が夜遅くまで働いている姿を見たら、若い女性スタッフはこの会社でキャリアアップしたいとは思わないでしょう。毎日18時に帰ることができると分かれば、仕事後の予定を立てやすくなります。毎日19時に子供を保育園に迎えに行くこともできます。

 どの企業も今、女性管理職を増やそうとしていますが、女性管理職を2~3割にするという数値目標を掲げただけでは状況は変わらないでしょう。僕の経験からは、残業を減らすと社長が公言したほうが効果は大きいと思います。

 もちろん、当社には子どもを生んだら管理職になれないという雰囲気は一切ありません。女性管理職の比率は53%。時短勤務を利用して働いている女性社員も大勢います。

18時15分には社内を消灯するので、勤務時間内にその日の仕事を済ませようと社員は集中して働いている
18時15分には社内を消灯するので、勤務時間内にその日の仕事を済ませようと社員は集中して働いている

 以前の日本には、残業する人ほど仕事ができる人と見なす印象がありました。でも、僕たちは、早く帰る人こそ仕事の効率がよく、管理職になるべきと考える文化に変えたのです。

 女性の活躍以外にも、残業削減の効果はありました。退社後に自分の時間を確保できるので、自己啓発につながります。新たな人と出会い、視野を広げることで、新しい商品やサービスにつながるアイデアが今まで以上に生まれるようになりました。

 さらに、体調を崩す人や、離職する人が減りました。残業が当たり前だった時代が嘘のように、今はスタッフの皆が生き生きと働いています。僕は残業削減こそ、会社経営の万能薬だと確信しています。

(構成:尾越まり恵、編集:日経トップリーダー

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