ストライプインターナショナルは、これまで小型店舗の展開によって成長を遂げてきました。私たちはこれを「ROA(Return On Assets:総資産利益率を向上させる)戦略」と呼んでいます。つまり「小型店戦略」ということです。

 小型店戦略のメリットを3つに分解してみましょう。

 一つは、小型なので在庫数が少なくてすみ、商品を高回転させることができることです。次に、店舗面積が小さいので内装投資が掛かりません。つまり、低資産であること。そして私たちはSPA(製造小売業)なので、もともと構造としては高粗利のビジネスです。

 身近な例で言うと、大手スーパーやショッピングモールよりもコンビニの方が経済効率が良く、コンビニよりも駅の売店、売店よりも自動販売機と、小型になればなるほど高回転・低資産・高粗利であるという考え方です。ここに狙いを定め、ユニクロやユナイテッドアローズが大型化していく中で、私たちは長い間、小型店戦略を選んできました。

 実際、この小型店戦略を始めた2003年から15年ほどで、売り上げは1000億円にまで成長しました。借り入れもほとんどありません。

 しかし、そんな私の考えを揺るがす出来事がありました。

ユニクロ柳井さんからの一喝

 2013年のある日のことです。ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長から連絡があり、「女性活躍推進など、労務回りについて話を聞きたい」と言われました。

 約束の朝7時30分に資料を準備し、ファーストリテイリングの本社に出向きました。すると、柳井さんは突然「なぜ君は小型の店ばかり出すのですか?」と私に質問したのです。

 労務関連の話ではないのかな? と思いながらも、私は「小型店舗の方が収益性の高いビジネスモデルだからです」と説明をしました。すると「それは違う」と柳井さんは否定します。その言葉に戸惑っていると、柳井さんから「経済は規模だ」と一喝されました。

 その日は1日、悔しさで悶々としていました。これまでの自分の戦略は間違っていないと思いましたし、700億円強まで事業を成長させてきた自負もありました。

 ただ、夜、少し落ち着いてお風呂に入りながら、思い直したのです。ちょっと待てよ、と。