「アース ミュージック&エコロジー」をはじめ、国内外でファッションブランド1400店舗を展開するストライプインターナショナル。2018年2月には東京・渋谷に「hotel koe tokyo」をオープンするなど、事業領域を拡大し続けている。成長企業であり続けるためには、社内の人材育成が欠かせない。石川康晴社長は幹部候補をどう育てているのか。

 ストライプインターナショナルは1994年に岡山県内の小さなアパレルショップから始まり、約20年間で売上高1300億円超の企業に成長しました。この先、さらに2000億円、3000億円を目指していくにあたり、幹部候補の育成が非常に重要になってきます。

 現在、まさに幹部候補を広く募集し、育成に力を入れているところ。「僕が突然いなくなっても傾かない組織にしたい」。そう考えています。

(写真:菅原ヒロシ)

 こう考えるようになったきっかけは、ある大企業の元経営者から、「50年経っても後継者をつくれなかった」と聞いたことでした。

 大きな組織でありながら、なぜ後継者を育成できなかったのか。

 理由の1つは、社長自身が「使いやすい」専務や常務、執行役員を脇に置き、それぞれに「特定の役割」を期待するからだと思います。例えば、営業経験が長い人には営業部門を、管理系の人には管理部門をという具合です。

 そうなると、それぞれの役員は自分の得意な分野しか分からない。営業系の人は管理系の仕事はできませんし、その逆もしかりです。そうなると、後継者としてふさわしい人はなかなか出てきません。

 反対に、営業と管理の両方を経験したことがあるなど、複数の仕事に精通した人が多い会社は、社長の後継者選びの際も、選択肢が増えて後継者不足という悩みも生じにくくなるはずです。

 こう考えてストライプでは、育成の仕組みとして、3つのステップを取り入れました。

事業を丸投げ

 最初のステップは、1つの事業を任せること。いわゆる「丸投げ」です。

 事業部長に任命し、自分で事業を回してもらう。すると必ず、それまでに見えてこなかった様々な課題にぶつかります。

 自分の限界が見えて来て、学習意欲が生まれたところで、2つ目のステップに進みます。それがMBAの取得です。

 MBAに関して言うと、「何を学びたいか」で通う大学は異なります。

 例えば、マーケティングを学びたいのであれば早稲田大学、組織論なら一橋大学、ITを駆使したマーケティングなら慶応大学、幅広い分野を勉強したいならば明治大学、といった具合です。費用は全て会社が負担します。

 事業部長としてぶつかった問題について、フレームワークを通じて課題を整理し、解決法を学ぶことがMBAに通う目的です。