アンケートを開始して今年で3年目となり、その効果は数字に出てきています。

 例えば、給与の件を例にとると、「給与を上げてもモチベーションが上がるのは一時的だから無駄だ」という意見もあります。でも、給与を上げると必ず下がることが1つだけあります。それは「離職率」なんです。

 これまで、入社から3~4年になる社員の離職率が高かったのですが、給与の額を見直したり、休暇の制度を整えたりすることで、減ってきています。また、入社1年目の社員の離職率も11%程になっています。

入社希望者を増やす、社員のリアルなメッセージ

 間接的ではありますが、採用面でも効果があります。入社志望の学生たちが店舗の見学に来る際に、店舗スタッフが胸を張って「うちはライフスタイル休暇で1週間のまとまった休みが取れて、日曜日もたまには休めて、給与も高い」と話すんですね。それを聞くと、入社希望の学生たちは「ここで働きたい!」と思うようです。

 会社が設定した説明会で人事担当が話すのではなく、現場に立つ社員のコメントですからリアルですよ。

 例年は新卒採用を秋まで実施していたのですが、今年はたくさんの応募が集まったので、8月末で採用活動を終了しました。当初の求人数を超える社員を採用でき、充足率は101%です。

 今年もまた、社員へのアンケート結果を読んで落ち込むことになるでしょう。でも、僕の心が折れそうになった時には、たぶん社員のほうがもっと傷ついているはずです。「こんなキツイことまで書く?」とアンケートを見て思うこともあります。でも、その彼(彼女)の気持ちを考えたら、それは解決しなきゃいけないと前向きになれます。

 とにかく社員を喜ばせたい。その分、社員にはお客様を喜ばせてほしい。間違えても、社員が社長を喜ばせようと考えるような社内文化は要りません。

(構成:尾越まり恵、編集:日経トップリーダー

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