また、「うちは女性社員が多いため、働くママのための制度が整っていますが、その分フルタイムで働く社員にしわ寄せがきています」という意見もありました。
つまり、ママ社員が子育てのために毎週土日に休む代わりに、フルタイム社員が連日出勤しないといけないのは不公平だという不満です。最初は「(社員同士の)助け合いの気持ちで何とかなる」と思っていたのですが、不満の声が増えてきたので、解決策を練ることにしたのです。
そして、月に1回はママ社員も土日に出勤するようにルールを変えました。月に1回であれば、夫や親などに子供の相手をしてもらえるでしょう。その結果、フルタイム社員も時々は土日に休めるようになりました。
5人以上から出た不満は、必ず解決
少人数からしか出てこない不満は、個人のわがままであることも多い。そうした不満や要望の中には「これはちょっと……」と疑問に感じてしまう内容もあります。ただ、複数の社員が同じ不満を示し、内容も納得できるものは会社の問題だと認識して解決に向けて動くようにしています。
会社の問題として取り上げる人数の目安は、5人。5人から同じ不満が出てきたら、それを放置すると、会社全体に次第に影響が出てくると考えています。
全社員3000人中5人は1%にも達しません。ただ、お客様からのクレームもそうですが、1人が不満を言うなら、実は100人はそう思っているんです。だから、勇気を振り絞って言ってくれた社員5人の後ろには、500人の要望があると考えることにしています。
僕が毎年不満の解決に動き続けたことで、社員たちは「自分たちの言葉で会社が変えられる」と実感し、遠慮せずに心の内を伝えるようになっています。

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