洋服の買い方も全く違う。僕らは若い頃必死にバイトをしてDCブランドの服を買っていましたが、今の若者はネットオークションですら面倒。フリーマーケットアプリのメルカリで、数百円の服を買って着ている人もいます。
まるで僕たちとは違う環境で育ってきたのです。ですから彼らの価値観を無理やりこちらに合わせて変えようと思っても難しい。ここまで違うのですから、若手社員を受け入れる側が、脳みそを入れ替えなければいけません。
イワシの群れから学ぶ新人のチーム行動
そんな若者たちを見ていて、僕が最近興味を持っているのがイワシの生態(笑)。皆さん海で泳ぐ大量のイワシを思い浮かべてください。
イワシたちは等間隔に並び、ぶつかることなく泳いでいます。突発的な障害を避けるときに少し乱れたとしても、瞬時に元の等間隔に戻ります。学者ではないので詳しいことは分かりませんが、どうもイワシには1匹の強いリーダーはいないように見えます。
もしかしたら、影のリーダーのような存在はいるのかもしれません。サルのように1匹のボスが群れを統率しなくても、グループがうまく回っている。
イワシの群れを見ると、僕はそこに新人たちのチーム行動のヒントが隠されているような気がしてならないのです。
若者たちを見ていて分かるのは、今はもうサルのボスはいらないということです。これからの時代に必要なのは、一人ひとりの意見を引き出しながら、うまく結論に導いていくようなモデレーター的リーダーの存在なのではないでしょうか。

必要な「お膳立てリーダーシップ」
さらに、これからのリーダーに求められるのは、「お膳立て」力です。
例えば、会議を開くリーダーや中堅社員たちは、自分で結論を持っています。でもそれを自ら発言したり一方的に意見を押し付けたりするのではなく、「どう思う?」とまず若手に意見を聞く。
そして、どんな意見が出たとしても否定しない。そしてさらに他の社員の意見も聞いていく。その中からうまく「若手社員の意見を採用する」形で結論にもっていく能力です。若手社員も意見を採用されたとなれば、自信を持ち、主体性が出ます。僕はこれを「お膳立てリーダーシップ」と呼んでいます。
このように、道をつくり、成果を部下の手柄にし、成功体験で自信を付けさせる「お膳立て」力というスキルが、これからのリーダーに不可欠だと思います。
このように、僕の考える若手教育とは、まず、背中を見せる側の中堅社員の教育から始めなければいけないのです。
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