このような地域振興活動を始めて6年以上たちますが、少しずつ地元の人にも受け入れてもらっている感覚があります。

 例えば、16年には岡山城の隣にある石山公園などで、年に3回、パンをテーマにしたイベント「ストライプマルシェ」を実施し、延べ5万5000人が集まりました。今後も場所やテーマを変えながら定期的にマルシェ(市場)を開催していく予定です。気付けば、この1年で、岡山には他にもマルシェと名の付くイベントが開催されるようになり、盛り上がりを見せています。

マルシェで癒やしの時間を提供

 ストライプマルシェには、岡山県だけでなく近隣の県からもパン屋さんが大集合します。

 実は、ヨーロッパの朝市に行ったとき、そこに集まる人は、物を購入し所有することよりも、心が触れ合う時間を過ごすこと、つまり心の幸福を人々は求めているのではないかと感じました。

 そこで、ストライプマルシェは、平日頑張って働く人たちが休日にホッとできる癒しの場として、同じような場所をつくれないかと考えました。パンを中心にコーヒーなども販売していますが、本当は幸福になれる体験や時間を提供することが狙いなのです。

 ビジネスにおいても地域振興活動においても、僕らが大事にしているのが「コンテンツとデザイン」の両方を重視することです。実は、岡山市はパンの消費量が全国3位。パンの好きな人たちであれば、きっとパンに対する興味や関心が高く、こだわりもあるだろうと考え、まずコンテンツとしてパンを選びました。

 そして、ストライプというアパレル会社が開催するマルシェなので、ただテントを並べる蚤の市のようなものではなく、週末の街を美しく彩るヨーロッパのようなマルシェをデザインしました。

ヨーロッパのマルシェをイメージした会場にベーカリーが並ぶ

 個人経営の小さな店だけど、知る人ぞ知るおいしいパン屋さんが岡山にはたくさんあります。そんなパン屋さんは広告宣伝に費用をかけられないので、マルシェに出店してもらい、パンを販売しながら宣伝してもらいます。当日はものすごく行列ができるので、ストライプで普段は服を売っているスタッフが、ボランティアとしてパンの販売を手伝います。彼女たちにとっても、マルシェは非常によいリフレッシュの機会になっていて、みんな「楽しかった!」と言って笑顔で帰っていきます。