ますます便利になっているコンビニですが、そこには多くの市場の変化を知るヒントが転がっています。

コンビニで発見できる社会環境の変化

 例えば、最近コンビニでよく見かける小容量の肉じゃが、煮物、サラダなどの総菜は、単身世帯だけではなく、高齢者にも喜ばれています。厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、2013年現在、単身世帯と夫婦のみ世帯(2人世帯)の比率が50%近くになっています。特に、65歳以上の単身、夫婦のみ世帯が増加しています。つまり、少人数世帯が増えているという社会環境の変化が、コンビニという便利な店舗における小容量総菜のニーズを生み出しています。

 また、一般消費者向けビジネスだけではなく、企業向けビジネス(BtoBビジネス)においても、コンビニからヒントを得ることができます。例えば、コンビニに定期配送しているトラックから、共同配送などの新しい物流のカタチを見つけ出すことができます。日配食品が増え、多品種小口配送の必要性が高まった結果、冷蔵機能を持つ大型倉庫が誕生し、そこでは単なる配送だけではなく、受注、仕分けまで行われるようになりました。こういった新しいカタチの物流ビジネスが生まれるトレンドもコンビニから垣間見ることができます。

 キャッシュディスペンサーも、お金をおろすだけではなく、電子マネーのチャージなどもできるようになりました。こうなると、単に現金引き出し装置を販売して設置するだけではなく、ネットワークの設計・構築、現金等の取り扱いに関わる警備・輸送、装置の保守メンテなどを含めた様々な企業を統合するシステムインテグレート機能が求められてきます。

 普段何気なく使っているコンビニですが、そこで入ってくる様々な情報に目を凝らし、タテに深くヨコに広く分析することで、社会環境の変化とそこから生まれる新しいビジネスをイメージすることができるようになるのです。

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